67 (18日目)

 

今日は土曜日。午前中にヨガをし、ランチの後、マトリマンデル(金色の円形状のスピリチュアルな建造物)の内側へ向かった。しかし、すんなりとは入れない。まずは、その時間に予約をした人たちが指定の場所に集合した後、場所を移動し、炎天下の中、立ったままでオーロビルとマトリマンデルについての説明を30分聞かなければならない。その後、行列をなして内側に誘導される。荷物を預け、靴下は新しい白いものに履き替えさせられる。会話は一切禁止。まずは冷房が効いているだけで感激。円形の吹き抜けになった中央にゆるやかな螺旋状の通路がある。ほんのりと柔らかな明かりが空間を照らし、足下には絨毯が敷かれ、私たちが歩く音は吸い込まれる。まるでSF映画に出てくるような宇宙空間。外の世界とは遮断され、不思議な異次元ではあるが心地よい。通路を上がっていくと、いくつかの部屋があり、ほどよい間隔にクッションが置いてある。部屋の中央には小さな明かりが一つだけ置いてある。好きな場所へ座り、そして楽なポーズで瞑想に浸ること20分。瞑想した…というよりは眠ってしまった。炎天下で30分立っていたせいだろう。これがマトリマンデルの見学ツアー。一日3回行われており、毎回多くの人が訪れる。

今夜から明日にかけて地元のインディアン1人を含め4人で少し離れた町へ出かけることにした。週末のワークを他の人と交換するなどやりくりして、いざ出発。めざすはTirvannamalai(ティルヴァンナーマライ)。ここは重要なシヴァ神信仰の町で、シヴァ神は火の象徴アルナーチャルシュワルとして崇められている。満月のたびに丘のふもとを周回するたくさんの巡礼者で町は膨れあがる。さて、ここで、炎のリンガという伝説を初めて知った。その伝説によればシヴァ神は、火柱に姿を変えてティルヴァンナーマライのアルナーチャーラーに現れたといわれ、これがもととなってリンガの原型ができあがった。毎年11月か12月の満月の日には、インド最古の祭りの一つ、カルティカイ・ディーバム祭がインド中で行われる。このシヴァ神伝説にちなんだ祝祭は、ティルヴァンナーマライでは特に大切な祭りだ。ここでは、2000ℓのギー(精製したバター)に30mもの芯を浸し火をつける。すると巨大な炎が燃え上がり、それは何日間もアルナーチャーラーの丘の上であかあかと燃え続けるのだ。家々ではランプがシヴァ神と燃える彼のリンガをたたえる印となる。火はシヴァ神が発する光の象徴であり、それは暗闇と悪を消し去ってくれる。

祭りの時期には50万人近くがこの町を訪れる。そして彼らはシヴァ神をたたえるために丘に登ったり、ふもと(周囲14km)を歩いてまわったりする。だが頂上へ向かう小道では、とがっていて不安定な石にすぐ足をとられる。木陰はなく太陽は容赦なく照りつける。そしてここを登るには、神への敬意を表すために裸足にならなければならない。これらの困難にもかかわらず、何千何万の巡礼者たちは足を止めることはない。彼らは静かに喜びに満ちて、神の住む丘の頂上を目指すのである(地球の歩き方インド編から抜粋)。

しかし、この日は満月でもなく、裸足で頂上をめざしたわけでもない。ただ、丘の所々にある洞窟のような小さなお寺をいくつか訪ねたり、町の中を観てまわった。やはり、町全体に信仰のパワーを感じた。これ以降、満月の度に、月の眺め方が少し変わった気がする。とにかくインドで見る月は大きくて明るい。電灯のない場所だからなおさら月の明るさ、かつ、ありがたみを実感した。

コメント

このブログの人気の投稿