5月21日 (1日目)

午後1時、インドのチェンナイChennai(マドラス Madras)空港に着いてすぐに、ポンディチェリー(Pondicherry)行きのバスターミナルへ行くタクシーを確保することで頭がいっぱいだった。航空機内でインド人夫妻に目的地までの行き方を確認しておいたので、かなり自信はあったが、やはり不安は拭いきれなかった。ペイドタクシーと呼ばれる、事前に目的地までの料金を提示してくれるシステムのタクシーを確保した。そうでなければ、呼び込みや流しのタクシーになるのだが、これらの料金設定はかなり怪しく、地元の人でも料金交渉は必要であるとのこと。 バスターミナルに着いた最初の印象は、ただただ無秩序な人混みと騒音であった。タクシーの運転手に乗り場を聞いたが彼もよくわからず、一緒に探してはくれたが、途中で面倒になったのか誰かに聞いてくれと言い残して去ってしまった。
さて、何とかしてバスに乗ったはいいが、席はただ一つを残して既にいっぱいであった。それは、一番後ろの窓側の席であった。入口からその席までを大きな重いバックパックを抱えての移動は至難の技であった。誰か手助けしてくれるかなあというのは全くの甘い考えであり、それどころか誰もが疲れきった不愉快な表情をしている。バックパックを膝下に置き、膝を抱えたままの状態で、いざここから3時間強のバスの旅へ出発! ふうっ〜。
バスにはもちろんエアコンなしで、窓もドアも開けっ放しで運転。55ルピーだから文句は言えない。オートリキショウ(Auto Rikshaw)が15分100ルピーという相場から考えるとかなり安い。窓から眺めるインドの風景を、ここまできてやっとのんびり眺める余裕ができる、と思いきや、車のクラクションが異常に耳につく。どうしても必要以上に鳴らしているとしか思えない。車もバイクも競って先を急ぎ、ルールやマナーなんてないとしか思えないような運転と排気ガスのひどさ、そして暑さに辟易し、度々バンダナで顔を覆い、目をつぶって落着くように心がけた。
 たぶん短時間眠ったようだが、車内に入ってきた物売りの掛け声で目を覚ました。バス停に着くごとに、食品やアクセサリーや、さらには乗客にはほとんど必要のないモノ(つまり何でも)を売りに(勝手に)入ってくる。しかも、強引な態度と大きな声で…。さらには開いている窓からも攻撃される。窓に手を入れ、執拗に売ろうとする逞しさ。思わず唖然としてしまった。 
 ポンディチェリーから目的地の近くのモラッタンディー(Morattandi)まではオートリキショウの運転手と初めての料金交渉となった。相場を聞いていたので、ある程度は交渉ができるという自信はあった。数人の運転手が一斉に寄ってきた。彼らは料金交渉よりも、いかに自分の車に私を引っ張っていくかで争う。口喧嘩になったり笑ったりしている。冗談なのか本気なのかわからない。競っている間に私はその場を離れ、他の車の運転手と交渉を始めた。自分でもうまくやってのけたと思う。
 ついに、サダナフォレスト(Sadhana forest)に到着。長い一日だった。初めてのインド。これから2ヶ月間ここで住むんだという実感はまだなかった。とにかく着いたという安堵感と、喉が渇いて水が飲みたかっただけである。とても元気なボランティアの一人のイギリス人女性ステファニーが、歓迎の言葉とコミュニティーの説明をざっとしてくれた。彼女の明るさにとても救われた。





このブログの人気の投稿